私が鍼灸師を志すきっかけとなったのは、学生時代に打ち込んでいた陸上競技(やり投げ)でした。
ケガや体調管理のサポートをしてくれたトレーナーとの出会いを通じて、
「スポーツに関わる仕事がしたい」と強く思うようになったのです。
その思いから大学の鍼灸学科に進学し、鍼灸治療とトレーナー活動の両面を学びました。
在学中から陸上競技、サッカー、ラグビーなどの現場でトレーナーとして活動し、
実際の現場での経験を積み重ねてきました。
卒業後は東京都内の鍼灸接骨院に勤務し、多くの患者さまと向き合う日々を過ごしました。
その後、静岡県御殿場市に移住し、高齢者施設などでの鍼灸治療に携わりました。
そこで出会ったのは、寝たきりや麻痺の症状を抱える方々。
症状の緩和や睡眠、胃腸の不調、便通の改善など、
これまで触れることの少なかった症例を数多く経験しました。
その中で、「寝たきりになってしまうと心身にどのような変化が起きるのか」を目の当たりにし、
日々の予防や体のメンテナンスの大切さを痛感しました。
また、この頃からお灸の持つ力を強く実感するようになり、
治療においてもお灸を取り入れる比重が増えていきました。
そして今、祖父母が残してくれた長野県諏訪の地に移住し、「きゅうときどきはり」を開院する運びとなりました。
また静岡にいた頃より、「もぐさ」や「よもぎ」について調べる機会も多くなり、
やがて自ら栽培や製造に取り組むようになりました。
現在は鍼灸院の傍ら、よもぎを栽培し、もぐさを製造する会社を立ち上げ、伝統文化を未来につなげる挑戦をしています。
この地域に暮らす皆さまが健康について考え、自分自身の体を大切にしていくきっかけとなるよう、
精一杯努めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。