――わたしが治療方針を決めるときに大切にしていること――
鍼灸院に来られる方から、よくこんな質問をいただきます。
「今日は鍼なんですね」
「この症状はお灸のほうがいいんですか?」
実は、毎回なんとなく決めているわけではありません。
わたしなりに、ひとつの軸をもって治療方針を考えています。
その軸のひとつが、2000年以上前に書かれた東洋医学の古典
『素問』『霊枢』という医学書です。

古い本を、今も参考にしている理由
「そんな昔の本?」と思われるかもしれません。
でもそこに書かれているのは、
特別なテクニックではなく、とても自然な原則です。
- 冷えているものは温める
- 熱がこもっているものは抜く
- 足りないものは補う
- 余っているものは整える
とても当たり前のようでいて、
実はこれが治療の判断の中心になります。
わたしは、症状の名前だけで決めるのではなく、
「この方の体は今、冷えているのか?」
「それとも緊張や熱がこもっているのか?」
という視点でも見ています。
お灸を選ぶとき
たとえば、
- 手足が冷える
- 慢性的に疲れやすい
- お腹が冷たい
- 体力が落ちている感じがする
こういうときは、体のエネルギーが少し弱っています。
古典では、こういう状態には「温めて補う」と書かれています。
ですから、わたしはお灸を中心に使います。
お灸は単なる温熱刺激ではなく、体のスイッチを入れるような役割があります。
はりを選ぶとき
逆に、
- 肩や首がパンパンに張る
- ストレスで頭が重い
- イライラしやすい
- 急に痛くなった
こういうときは、エネルギーが滞っています。
この場合は、温めるよりも「通す」ことが必要です。
そこで鍼を使います。
はりは、流れを整えるための道具です。
組み合わせることもあります
実は、古典にはこんなことも書いてあります。
「緊張が強いときは、先に鍼をしてから灸をする」
これは今の臨床でもとても理にかなっています。
まず鍼で流れを整え、
そのあとにお灸で補う。
状態によっては、この両方を使います。
からだの状態にあわせた鍼灸治療を
はりか、お灸か。
それはその日の体の状態で変わります。
でも、そこにはちゃんと理由があります。
体の状態を見て、
冷えているのか、滞っているのか、弱っているのか。
そうした視点を大切にしながら、治療を組み立てています。
少しずつですが、勉強も続けています。
昔の知恵も、今の知見も、両方を参考にしながら。
安心してお越しください。
あなたの体に合わせて、一番合う方法を一緒に選んでいきます。
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